ITL/セットアップ編
目次
1 Mac のセットアップ
1.1 ソフトウェア・アップデートの実行
Mac に入っている OS が最新のものになっていない場合,後述する機能が使えない可能性があるばかりか,悪意のある攻撃に対する脆弱性が修正されていないかもしれない.
- メニューバー左上のリンゴマーク→ソフトウェア・アップデートを実行
1.2 キーバインドの変更
1.2.1 ctrl と caps lock を入れ替える
本研究室では ctrl を多用するので,あまり使わない caps lock と入れ替える.
- システム環境設定→キーボード→修飾キー を開いて設定
1.2.2 spotlight のキーバインドを ctrl + shift + space に変更
デフォルトでは ctrl + space だが,このキーバインドは後述する Emacs で「mark set」の機能に割当てられている.
- システム環境設定→spotlight を開いて設定
1.3 Trackpad の設定
- システム環境設定→トラックパッド
1.4 キーボード・ショートカット
- Mac では ⌘ (command), control, shift, option のキーとアルファベットや数字キーを組み合わえることで様々な機能を呼び出せる. http://support.apple.com/kb/HT1343?viewlocale=ja_JP
1.4.1 覚えておくと便利なショートカット
ショートカット | 機能 |
---|---|
⌘+c | コピー |
⌘+v | ペースト |
⌘+w | ウィンドウを閉じる |
ctrl + shift + space | spotlight |
ctrl + option + space | spotlight を Finder 上で起動 |
⌘+h | ウィンドウを隠す |
⌘+m | ウィンドウを最小化 |
⌘+q | 終了 |
⌘+option+esc | アプリケーションの強制終了 |
2 ソフトウェアのインストール方法
Mac ではソフトウェアのインストール方法に3通りある.
- App Store からインストールする
- .app ファイルをアプリケーション・フォルダに移動させる
- .pkg ファイルをダブルクリックする
2や3の方法の場合,必要となるファイルが dmg (仮想ドライブイメージ)ファイルとして提供されている場合がある. dmg ファイルをダブルクリックすると,新しいドライブが認識される.その中に .app ファイルが入っていたり,.pkg ファイルが入っていたりする.
3 セキュリティソフトウェアのインストール
- F-secure は後述する homebrew のパッケージディレクトリ(
/usr/local/
)を「汚染」しない. SEPの方が安定しているようだが契約改訂により現在は利用不可能./usr/local/lib/
の下に.dylib
を作るので面倒.
3.1 f-secure
3.1.1 インストール方法
- TAINS のホームページからセキュリティ対策ソフトウェア->エフセキュアを選択: https://www2.tains.tohoku.ac.jp/security/f-secure
- 「ダウンロード」ボタンから dmg ファイルをダウンロードする
- dmg ファイルをマウントし,F-Secure****.mpkg というファイルをダブルクリック
3.1.2 ライセンスコードの取得
- 同じページから「ライセンスキーコードを取得する」ボタンをクリック
- 「ご了解,ご注意事項」を読んだ後「同意する」ボタンをクリック
- ライセンスコードがいくつか表示されるので,その中の1つ(どれでもいい)を エフセキュアのライセンスコード入力欄にコピー&ペースト
3.1.3 アンインストール方法
コマンドラインから以下を実行(参考):
sudo /usr/local/f-secure/bin/uninstall_MacProtection
4 Terminal.app の起動と設定
以降では,ターミナル(Terminal.app
)をよく使う.
以下の設定ファイルを作成/編集することで,より便利に使えるようになる.
~/.bash_profile # PATH や よく使うコマンドの別名(alias)など ~/.inputrc # 入力のカスタマイズ
4.1 ~/.inputrc
の設定
ターミナルでは,上下キーや Ctrl-n / Ctrl-p
によって過去に入力した履歴を表示させられる.
さらに, ~/.inputrc
に以下を記載しておくと,最初の数文字を入力してから上下キーや Ctrl-n/Ctrl-p
を押すと,
その文字で始まる履歴のみを表示させられる.
ターミナルで以下のように入力すれば, ~/.initrc
を作成できる.
cd ~/
curl -O https://gist.githubusercontent.com/nagae/10461176/raw/.inputrc
5 BetterTouchTools のインストールと設定
5.1 BTT の特徴
- Trackpad による様々なジェスチャーを各種機能に設定できる
5.2 インストール方法
5.2.1 マウスを使う場合
- https://folivora.ai から DOWNLOAD TRIAL (45 DAYS)をダウンロード
- BetterTouchTool.app を
/Applications/
フォルダに移動.
5.3 Window Snapping の設定
"Do you want to activate Window Snapping (…)?" というメッセージが出るので 「Yes, activate the window snapping!」を選択
しばらく待つと「"BetterTouchTool"はアクセシビリティ機能を使用してこのコンピュータを制御することを求めています。」というダイアログが出るので「"システム環境設定"を開く」を選択
設定を変更するために右下の鍵マークをクリックし,パスワードを入力
「下のアプリケーションにコンピュータの制御を許可。」欄にある BetterTouchTool の横のチェックボックスをチェック.
5.4 設定例
5.4.1 ログインと同時に起動するように
Preference -> Settings -> Launch BetterTouchTools on startup をチェック
5.4.2 Global Setting
- 設定ファイル をダウンロード
BetterTouchTool の左メニューから「Import」を選択し,ダウンロードしたファイルを選択
ジェスチャー | 機能 | 解説 |
---|---|---|
Corner Click Bottom Right | Sleep Display | Trackpadの右下をクリック : ディスプレイをスリープ |
Three Finger Click | Lookup word under cursor | 3本指クリック: カーソル下の単語を調べる |
Three Finger Clickswipe Down | Restore old window size | 3本指で下へクリック・スワイプ : ウィンドウのサイズを元に戻す |
Three Finger Clickswipe Left | Maximize Window Left | 3本指で左へクリック・スワイプ : ウィンドウを画面の左半分にスナップ・最大化 |
Three Finger Clickswipe Right | Maximize Window Right | 3本指で右へクリック・スワイプ : ウィンドウを画面の右半分にスナップ・最大化 |
Three Finger Clickswipe Up | Maximize Window | 3本指で上へクリック・スワイプ : ウィンドウを最大化 |
Three Finger Clickswipe Left + Shift | Resize Window to Top Left Quarter/Corner | シフト+3本指で左へクリックスワイプ:ウィンドウを左上4分の1にスナップ |
Three Finger Clickswipe Left + fn | Resize Window to Bottom Left Quarter/Corner | fn +3本指で左へクリックスワイプ:ウィンドウを左下4分の1にスナップ |
Three Finger Clickswipe Right + Shift | Resize Window to Top Right Quarter/Corner | シフト+3本指で右へクリックスワイプ:ウィンドウを右上4分の1にスナップ |
Three Finger Clickswipe Right + fn | Resize Window to Bottom Right Quarter/Corner | fn +3本指で右へクリックスワイプ:ウィンドウを右下4分の1にスナップ |
TipTap Left | Page Up | 2本の指を置いた後,左側の指をタップ:上スクロール |
TipTap Right | Page Down | 2本の指を置いた後,右側の指をタップ:上スクロール |
Two Finger TipTap Right | End (end of the page) | 3本の指を置いた後,一番右側の指でタップ:ページの最後へ(fn + →と同じ) |
Two Finger TipTap Left | Home (beginning of the page) | 3本の指を置いた後,一番左の指でタップ:ページの先頭へ(fn + ←と同じ) |
Three Finger Swipe Left | ⌘⇧] | 3本指で右から左へスワイプ : 右のタブへ(Safari.app, Terminal.app, Firefox.app, Google Chrome.app などで共通に利用可能) |
Three Finger Swipe Right | ⌘⇧[ | 3本指で左から右へスワイプ : 左のタブへ |
6 各種サービスのアカウント作成とユーティリティのインストール
6.1 iCloud (https://www.icloud.com)
6.1.1 特徴
- 無料で5GBのクラウドストレージ.
- MacやiOS デバイス間でMail/Safariのブックマーク/iCalendarを同期させたり,iOSデバイスのデータや設定をバックアップしたりできる.
- GoodReaderを始め,各種iOS Appからのアクセスが容易だが,ローカル・フォルダとの同期は無い.
6.1.2 アカウント作成・ユーティリティ
6.2 Dropbox (https://www.dropbox.com/)
6.2.1 特徴
- 無料で2GBのクラウドストレージ.
- 30日まで 履歴を保存しているので,うっかり上書き・削除してしまっても復元可能.
- ローカルの
~/Dropbox
フォルダと自動的に同期. - .emacs, texmf, skk 辞書などの保存には便利.
- iOS からもファイル閲覧可能.
6.2.2 アカウント作成・ユーティリティ
- http://db.tt/pqpSl9b からアカウントを作成
- https://www.dropbox.com/downloading?src=index からユーティリティをダウンロード.
6.3 Cloud.app (http://getcloudapp.com)
6.3.1 特徴
- ファイルの共有機能に特化.
- Cloud への保存と同時に,当該ファイルへのURLをクリップボードに送ってくれる.これをメールなどにペーストすることでファイルが共有可能.
- Finder から Ctrl + option + R とするだけで,上記作業が完了するので便利.
- 保存容量は無制限だが,無料プランの場合,アップロードできるファイルが 10ファイル/日,25MB/ファイル に限定される.
6.3.2 アカウント作成・ユーティリティ
- http://getcloudapp.com からアカウント作成&ユーティリティをダウンロード
- アカウントを作成したら http://my.cl.ly/account の Privacy -> Default Privacy for New Drops のチェックを private にすること(→理由)
6.4 Github (https://github.com)
6.4.1 特徴
- Bitbucket と同じ git リポジトリ
- ちょっとしたコード断片の公開・管理に便利な gist システムを備える
- push したソースを Web 上からでも編集できる
- 公開リポジトリは無料で無制限に作成可能.プライベート・リポジトリは有料.
- ディレクトリ構造を持たない gist であればプライベートでも無制限に作成可能.
6.4.2 アカウント作成・ユーティリティ
- https://github.com から Sign up
- Mac 用のユーティリティとして http://mac.github.com が用意されている.
6.5 Bitbucket (https://bitbucket.org)
6.5.1 特徴
- Github と同様の git リポジトリ
- gist システムやソースのWeb編集機能は無い
- 公開/プライベートともに無制限にリポジトリを作成できる
- 5人までならプライベート・リポジトリを共有できる.アカデミック・アカウントなら無制限に共有できる(!)
- 長江研では メンバ・ページ を作って報告会の情報を共有している
6.5.2 アカウント作成・ユーティリティ
- https://bitbucket.org から sign up
- メールアドレスには東北大学のアドレス(
xxxx@dc.tohoku.ac.jp
)を使うこと. - アカウントを作成したら,長江に通知.
- Mac 用のユーティリティとして http://www.sourcetreeapp.com が用意されている
6.5.3 参考サイト
6.6 Evernote (必須ではない)
6.7 Github / Bitbucket に SSH で接続する
6.7.1 公開鍵と秘密鍵の作成
~/.ssh
にSSH用の公開鍵と秘密鍵を作るmkdir ~/.ssh # ssh用のディレクトリを作る cd ~/.ssh # .ssh ディレクトリni移動 ssh-keygen -t rsa -f id_rsa # id_rsa という秘密鍵と id_rsa.pub という公開鍵を作る # パスフレーズを入力した後,同じものをもう一度入力. # ここで入力するパスフレーズは,Mac 本体へのログイン用と同じにしても問題無い. chmod 700 ~/.ssh # .ssh ディレクトリのアクセス権を「管理者のみ読み書き実行可」に変更 chmod 600 ~/.ssh/id_rsa.pub # 公開鍵のアクセス権を「管理者のみ読み書き可」に変更
ここで作成した公開鍵/秘密鍵のパスフレーズは,以下のコマンドで後から変更できる:
ssh-keygen -f id_rsa -p
6.7.2 Bitbucket に SSH の公開鍵を登録する
Bitbucket の右上のアバターから「Manage account」を選ぶ
左側のメニューから「SSH keys」を選び,「Add Key」をクリック
適当なラベルを与えたあと,公開鍵を Keys にコピーする.ターミナル上で
pbcopy < ~/.ssh/id_rsa.pub
としてから Key のところでペーストすると簡単.
~/.ssh/config
に以下を記載Host bitbucket User git Port 22 Hostname bitbucket.org IdentityFile ~/.ssh/id_rsa TCPKeepAlive yes IdentitiesOnly yes
これを実現する方法は2つある
- ターミナル上で Emacs を起動して編集する方法
まず,ターミナル上で
emacs ~/.ssh/config
として,Emacs を起動する.
- 上記をコピー&ペーストする.
- 保存(C-x C-s: Ctrlを押しながら x, s とタイプする)した後, Emacs を終了(C-x C-c; Ctrl を押しながら x, cとタイプ)する.
pbpaste
から追記する方法- 上記をコピーする.
ターミナル上で以下を入力:
pbpaste >> ~/.ssh/config echo >> ~/.ssh/config # 改行を加える
- 確認
追記したら,うまく記載できているか確認.ターミナル上で
less ~/.ssh/config
とする.
less
はq
で終了できる.思った通りに記載できていなかったら emacs などで編集.
SSH接続を試してみる.ターミナル上で
ssh git@bitbucket.org
としてみる.$ ssh git@bitbucket.org The authenticity of host 'bitbucket.org (207.223.240.182)' can't be established. RSA key fingerprint is 97:8c:1b:f2:..... Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
と表示されたら,
yes
を入力.# (Warning が出ることもある) PTY allocation request failed on channel 0 conq: logged in as ****. # **** には bitbucket.org のアカウント名が入る You can use git or hg to connect to Bitbucket. Shell access is disabled. Connection to bitbucket.org closed.
と出れば成功.
6.7.3 Github に SSH の公開鍵を登録する
github.com の右上のユーザー名をクリック
ダッシュボード画面で右上の「Edit Your Profile」をクリック
- 左側のメニューから「SSH Keys」を選び,「Add SSH Key」をクリック.
編集画面が開くので,Title に適当なラベルを与え(省略可能),公開鍵を Key にペーストし「Add Key」をクリック.
公開鍵をペーストする簡単な方法:ターミナル上で
pbcopy < ~/.ssh/id_rsa.pub
としてから Key のところでペースト(Command+V).
~/.ssh/config
に以下を追記(上述も参照).Host github User git Port 22 Hostname github.com IdentityFile ~/.ssh/id_rsa TCPKeepAlive yes IdentitiesOnly yes
うまく記載できているか確認.ターミナル上で
$ less ~/.ssh/config
とする.less は
q
で終了できる.思った通りに記載できていなかったら emacs などで編集.SSH接続を試してみる.ターミナル上で
ssh git@github.com
としてみる.$ ssh git@github.com The authenticity of host 'github.com (204.232.175.90)' can't be established. RSA key fingerprint is 16:27:ac:a5:76:.... Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
と表示されたら,
yes
を入力.# (Warning が出ることもある) PTY allocation request failed on channel 0 Hi ****! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access. Connection to github.com closed. # **** には github.com のアカウント名が入る
と出れば成功.
6.7.4 その他の SSH サーバーを登録する
上述の方法を応用すれば,他の SSH サーバーにもSSH公開鍵を登録できる.
例えば, username@remote.to
というサーバーに登録したい場合は,まず,以下のようにターミナルから入力する.
cat ~/.ssh/id_rsa.pub | ssh username@remote.to "cat>>.ssh/authorized_keys"
次に ~/.ssh/config
に以下を追記する:
Host alias User username Port 22 Hostname remote.to IdentityFile ~/.ssh/id_rsa TCPKeepAlive yes IdentitiesOnly yes
6.7.5 Mac の keychain にパスワードを記録する
SSH 用のパスワードを毎回入力するのはかなり面倒. 下記をターミナルから実行しておくことで, Mac の keychain にSSHパスワードを記録しておける.
ssh-add -K ~/.ssh/id_rsa