少しはマシなパスワードの作り方
目次
1 全てのサイトで同じパスワードを使ってはいけない
Google, iCloud, Dropbox, 楽天, メールサービス…全てのサイトで同じパスワードを使ってはいけない. 万が一どれか1つでも盗まれたら,登録している全てのサービスで自由にログインされてしまうから. しかし,サイトごとに違うパスワードを覚えておくのは大変.だからといって紙にメモしては本末転倒. そこで,以下のような方法でサイトごとに別々のパスワードを作ることをオススメする.
2 基本形:基本パスコード + サービス別コード
ここでは,サイト別のパスワードを, 基本コード と サービス個別コード で構築する方法を紹介する.
まず,基本パスコードを,例えば, P@ssw()rd
とする( 使っちゃダメよ ).
次に,利用するサービスごとの個別コードを,例えば,
サイト名 | 個別コード |
---|---|
Ggle |
|
Dropbox | Dbox |
東北大学メールサーバー | Thml |
などとする.そして,各サービスで実際に使うパスワードを
基本パスコード + つなぎ記号 + 個別コード
とする.例えば,つなぎ記号として %
を使う場合,
Google には P@ssw()rd%Ggle
, Dropbox には P@ssw()rd%Dbox
, 東北大学メールサーバーには P@ssw()rd%Thml
というパスワードを設定する.
3 利点
- サービスごとに全く違うパスワードを覚える必要がない.
- どれか1つのサイトでパスワードが盗まれても,直ちに別のサービスまで危険になるわけではない.
- 基本パスコード,記号およびその組み合わせ方さえ秘密にしておけば,個別コードがリークしても直ちに危険にはならない(むしろ,自分が利用しているサイトをメモしておけば,サイト別パスワードを整合的に更新できる)
4 注意点
- 基本パスコードは 6文字以上 で,英語の大文字・英語の小文字・数字が,それぞれ, 少くとも1つ は入っていることが望ましい.
- 辞書に載っている単語,人名,地名,およびそれらを「o→0, ()」「i→1 」「a→@」などと変えたものを そのまま使わない.上記の
P@ssw()rd
は 使ってはいけない好例 - サイト別パスコードをあまり長くしない.
- パスワード生成用のWebサイトなどは使わない(一見ランダムに見えるだけで,実は法則性があるかもしれない).
- どうしても思いつかなければ
pwgen
を使ってみる.
5 アレンジを効かせる
例えば,
- 個別コードを先に書くことにする(eg.
Ggle%P@ssw()rd
,Dbox%P@ssw()rd
) - 個別コードで基本コードを挟む(eg.
Gg%P@ssw()rd%le
,Db%P@ssw()rd%ox
) - 記号を変えたり,増やしてみる(eg.
P@ssw()rd@Ggle!
,P@ssw()rd@Dbox!
)
とすると,さらに堅牢になる.
6 覚え易くてセキュアなパスコードの生成
基本パスコードは覚え易くてセキュアであることが望ましい.そんなコードを生成するGPL pwgen
という UNIX コマンドを使ってみてはどうでしょう.
http://sourceforge.net/projects/pwgen/
$ brew install pwgen # homebrew でインストール $ pwgen --help # ヘルプを見る $ pwgen -B -v 8 # 少なくとも1つが記号で,見間違い易い文字を使わない8文字のパスコードを生成
7 参考になるサイト
- https://www.grc.com/haystack.htm
- あなたのパスワードが総当たり攻撃によって「何秒」で破られるかを示してくれる.総当たり攻撃に対してはパスワードの複雑さよりも長さが重要だとする主張も.
- https://www.grc.com/OffTheGrid.htm
- 紙ベースでサイトごとの堅牢なパスワードを生成する方法.