第6回 アカデミックスキルI レポートの作成技術(4)
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1 このページの更新履歴
2 LaTeX コマンドリファレンス
2.1 参考になるサイト
- 奥村先生@三重大学 の TeX 情報サイト TeX Wiki
- LaTeX コマンド集 LaTeXコマンド集
- StackExchange (CGM: consumer generated media; Yahoo! 知恵袋,はてな,OKWave の海外版)の TeX ページ StackExchange (TeX)
3 マクロと環境
TeX の命令は マクロ と 環境 とに分かれる.
3.1 マクロ
\documentclass[...]{...}
のように,バックスラッシュの後にコマンド名(この場合は documentclass
) が指定されるもの.
よく使うマクロとして,以下のものが挙げられる.
-
\documentclass[オプション]{文章クラス}
- 文章クラスを指定.オプションでフォントサイズ,用紙サイズ,段組なども指定できる.
-
\title{標題}
- 標題を指定.
-
\author{著者名}
- 著者名を指定.
-
\date{日付}
- 日付を指定.省略するとコンパイル時の日付が指定される.
-
\maketitle
- 標題,著者名,日付を挿入する.引数やオプションをもたない.
-
\section{節の標題}
,\subsection{小節の標題}
- 節題や小節題を挿入する
-
\item 項目
- 箇条書きの項目であることを指示.
itemize
環境やenumerate
環境内でのみ使える. -
\item[用語名] 用語の定義
- 定義リストの項目であることを指示.
description
環境内でのみ使える. -
\LaTeX
- \(\text{\LaTeX}\) を挿入する.
-
\pagebreak
- ページ区切りを挿入する.
-
\\
- 改行を挿入する.
-
\verb|\section{節の標題}|
- LaTeX で処理されたくないソースコードなど(この場合は
\section{節の標題}
)を挿入する.\verb
コマンドの 直後の記号を引数のデリミタ(区切り文字)とする ので,ソースコードの中に無い記号を適宜選べばよい. 代表的なのは\verb|...|
や\verb!...!
や\verb+...+
など.
3.2 環境
\begin{document}...\end{document}
のように, \begin
と \end
の2つのコマンドで挟まれた部分を,
特別な 環境 (この場合は document
環境)として処理するコマンド.
よく使う環境には,以下のものが挙げられる.
-
\begin{document}...\end{document}
- 文章本体
-
\begin{enumerate}...\end{enumerate}
- 番号つき箇条書き
-
\begin{itemize}...\end{itemize}
- 番号なし箇条書き
-
\begin{description}...\end{description}
- 定義リスト(用語とその意味などのリスト)
4 文章の基本構造
4.1 \documentclass
と \begin{document}...\end{document}
文章には \documentclass[オプション]{引数}
と \begin{document}...\end{document}
が必要.
\documentclass[a4j,10pt]{jarticle} % 文章クラス,用紙サイズ,フォントサイズを指定 \begin{document} % document 環境を開始 本文 \end{document} % document 環境を終了
\documentclass
の引数(波括弧の中)は必須.日本語の場合はjarticle
, 英語の場合にはarticle
など\documentclass
のオプション(角括弧の中)には,以下のようなものが入る (参考)- フォントサイズ(
10pt
,11pt
,12pt
, …) - 用紙サイズ(
a4j
,a4paper
,letterpaper
, …) - 段組(
onecolumn
,twocolumn
)
- フォントサイズ(
- LaTeX は
\begin{document}...\end{document}
の間だけを 文章本体 として処理する %
から行末までは コメント と見なされ,処理されない
4.2 タイトル
文章本体の中に \maketitle
とすると,その場所に指定された標題,著者名,日付などが挿入される.
標題は \title{...}
, 著者名は \author{...}
, 日付は \date{...}
で指定する.
\documentclass[a4j,10pt]{jarticle} \title{標題} \author{著者名} \date{日付} \begin{document} \maketitle % タイトルを挿入 本文 \end{document}
4.3 段落
段落の区切りは空行で指定する.
\documentclass[a4j,10pt]{jarticle} \begin{document} 1つの話題を扱う複数の文のまとまりを段落と呼びます. 段落には,その話題に対応したトピック・センテンスが必ずあります. トピック・センテンスだけでは話題を説明し切れないので,いくつかの文でそれを補うの です. このように空行を入れることで,別の段落を始めることができます. 段落を分けずにだらだらといくつもの文を繋げたり, 闇雲にいくつもの段落を設けたりすると,非常に読み難い文章が出来上がります. これは,段落が文章の論理構造を構成する基本単位となるためです. \end{document}
4.4 節,小節
いくつかの段落で構成されるような大きな話題を節や小節を設けるには,
\section{節の標題}
や \subsection{小節の標題}
とする.
\documentclass[a4j,10pt]{jarticle} \begin{document} \section{サヨナラホームランとは} この節では野球のルールを概観しながら,魅力である「サヨナラホームラン」を説明しま す.いくつかの段落で構成されるような大きな話題を扱うには「節」や「小節」を活用し ましょう.段落と段落の間に \verb|\section{節の標題}| や \verb|\subsection{小節の標題}| と 入れることで,新しい節や小節が始まることを指定できます. 段落が細か過ぎると文章全体が読み難くなるように,節や小節が細かく分かれ過ぎている と文章全体の構成が判りにくくなります. \subsection{攻撃回数と「サヨナラ」勝ち} \subsection{得点の入り方と「ホームラン」} \section{サヨナラホームランの爽快感を楽しむには} \end{document}